東日本大震災の津波で壊滅的被害を受けた宮城県気仙沼市の鹿折地区で、市街地に残る大型漁船を保存する市の計画に住民から反発が出ています。
市は後世に伝える意義を強調するが、船に自宅を押しつぶされる様子を見た被災者らは「記憶がよみがえる」と撤去を訴えます。被災自治体には、被災者の心情に配慮しながら風化を防ぐ取り組みを進めるという難しいかじ取りが求められています。
港から約800メートルのJR鹿折唐桑駅前にあるのは全長約60メートルの「第18共徳丸」(総トン数約330トン)は、福島県いわき市の「儀助漁業」所有で、震災時は定期検査で寄港していました。
市によると、市内に打ち上げられた100総トン以上の大型船は17隻です。共徳丸以外は海に戻されたり、解体されたりしました。移動には高額な費用がかかるため、共徳丸も解体予定だったのですが、市は6月、津波被害を象徴する船として残したいと所有会社に申し出、管理下に置きました。国に支援を要請し、市の復興計画に船の保存を含む公園整備を盛り込んでいます。
しかし、10月に行われた地区内の法要では「船が悪いわけではないが、あの船を見ると、悔しさがこみ上げてくる」といった声が相次ぎました。震災当日、住民は近くの高台から船が自宅を破壊していく様子を目撃していたからです。市と自治会長や住民との意見交換では「後世に残そう」との意見が出た一方、「いつまで置いておくのか」と強い反発もあります。市議の中にも「国の財源でできないなら反対」などの声があるようです。
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